処方されたビタミンDのお薬と、薬局で買ったビタミンDのサプリ。「体にいいもの同士だから大丈夫」と思いがちですが、ここには知っておいてほしい落とし穴があります。
薬局のサプリメント売り場で、ばったり患者さんにお会いしたことがあります。手にはビタミンDのボトル。
「先生、ちょうどよかった。骨にはビタミンDって聞いたので、これも足そうかと思って」
心がけはすばらしいのですが、その方の処方箋には、すでに活性型ビタミンD3製剤(病院で出すビタミンDのお薬)が入っていました。ここにサプリを足すと、よいもの同士でも摂りすぎになることがあります。
「これ、飲み合わせて大丈夫?」と、薬剤師に一言たずねてみてください。
「お薬のビタミンD」と「サプリのビタミンD」は別もの
病院で処方されるビタミンDは、体の中ですぐ働ける形になった「活性型」のお薬です。サプリメントのビタミンDは、体の中で変換されてから働きます。形は違っても、最後の働きは同じところに行き着きます。
重なりすぎると、血液中のカルシウムが上がりすぎることがあります。のどが異常に渇く、だるい、食欲がないといったサインが出る前に、重ね飲みは避けておきましょう。カルシウムのサプリも同じです。
どのお薬が「活性型」なのか、何に気をつければよいかは、次の記事にまとめました。
📖 活性型ビタミンD3製剤 — 腸と骨をつなぐ、縁の下の力持ち
サプリは袋ごと見せる
サプリメントを全部やめてください、という話ではありません。飲んでいるもの全体を主治医と薬剤師が知っていれば、重なりはその場で見つけられます。
サプリは、足す前に一度見せておく。それだけで、安心して続けられます。
私がおすすめしているのは、飲んでいるサプリを袋やボトルごと診察室に持っていくことです。成分表を口で説明するより、ずっと正確に伝わります。お薬手帳にサプリの名前をメモしておく方法もあります。
今日できること
今日は台所と洗面所を一周して、飲んでいるサプリを集め、次の診察に持っていく袋に入れておいてください。集めてみると、思っていたより袋がふくらむものです。
確認して問題がなければ、そのまま安心して続けられます。次回は、期間の決まったお薬の「その後」、お薬の"引き継ぎ"のお話です。
この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。
監修:加藤裕幸(整形外科専門医/東海大学医学部 医学教育学 教授)