期間の決まった骨のお薬には、必ず「その後」があります。増やした骨をどう守り続けるか、治療のバトンタッチのお話です。
骨をつくるお薬で治療中の方が、ふと不安そうにおっしゃいました。
「先生、このお薬、期間が決まっているんですよね。終わったら……私の骨は、どうなるんでしょう」
「作る」お薬には期間が決まっているものがあることは、以前この連載でお話ししました(第8回)。今日はその続き、期間が終わったあとの話です。
治療はリレーです。たすきが渡るところまでが、ひと区間。
増やした骨は「守り」に引き継ぐ
「作る」お薬で集中的に増やした骨は、そのままにしておくと少しずつ元に戻ってしまいます。
ですから、期間が終わっても治療は終わりません。次は「守る」お薬にバトンタッチして、増やした骨を定着させます。このように順番を決めて治療を続けることを、逐次療法(ちくじりょうほう)と呼びます。マラソンより駅伝に近く、区間ごとに走者は替わっても、たすきはずっとつながっています。
どのお薬からどのお薬へ、どんな流れがあるのかは、次の記事で整理しました。
📖 薬の続け方・やめ方・切り替え — 骨のお薬と長く付き合うために
「切り替え」と「中断」は別もの
主治医と計画して次のお薬へ移る「切り替え」と、自己判断でやめてしまう「中断」は、似ているようでまったく違います。
切り替えの時期には、通院の間隔や注射の場所が変わって、少し落ち着かないかもしれません。治療が後退したわけではありません。次の区間に入っただけです。わからなくなったら、「いま、私の治療は何区間目ですか?」と聞いてみてください。
今日できること
期間の決まったお薬で治療中の方は、今日はこれを。
次の診察で「このお薬が終わったあとの計画」を聞いてみてください。
終わったあとの道筋がわかっていれば、いま打っている注射が何のためのものかも見えてきます。
この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。
監修:加藤裕幸(整形外科専門医/東海大学医学部 医学教育学 教授)